WORKS

LIONS ARENA 名城大学開業100周年記念アリーナ

建築概要

名称:LIONS ARENA
所在地:名古屋市天白区塩釜口1-501
主要用途: 学校(大学)
建築主:学校法人 名城大学
敷地面積:112,770.53㎡
建築面積:6,993.82㎡(全体47,756.19㎡)
延床面積: 18,066.45㎡(全体189,632.79㎡)
最高高さ:26.91m
構造規模:
<アリーナ>RC造一部S造 地下1階、地上3階
<クラブハウス>RC造 地上5階
意匠:内藤建築事務所
構造:構造計画研究所 担当/大西雄一郎、LI RUI
設備:新日本設備計画、テクノ工営
施工:熊谷組

構造概要

大空間の設計は、構造エンジニアであれば誰もが一度は挑みたいテーマだと思います。プロポーザル協働のお誘いをいただいたとき、「ついにその順番が自分に回ってきた」というのが率直な思いでした。

建築の平面・断面計画上の要件から、屋根の基本構造には一方向性のアーチ構造を採用しました。設計の要点は、いかに長スパン屋根架構の変形と応力を合理的に制御し、下部構造へ力を伝えるかにありました。まずはアーチの実質スパンを極力抑えるため、両端に逆三角形式の「トラスステージ」を配置し、その内端部でアーチ脚部を支持する構成としました。

アーチ構造において、鉛直荷重に対し外側へ押し広げようとする「スラスト力」が発生することは自明です。そのため自己つり合い系を構築すべくアーチ下弦に張弦材を配置し、トラスステージの倒れ込みを防ぐために外端をバックステイで拘束するところまでは、ファーストイメージとしてすんなり導き出せました。

ここで課題となったのは、バックステイの定着先が建物本体のRC柱頭部であったため、引張力を最小限に抑えなければならないことでした。そこで思いついたのが、張弦材の初期張力をコントロールし、スラスト力による「外側へ押し出す力」とアーチ自重による「内側へ倒れる力」をバランスさせることでした。

ただし、これだけでは天秤のように釣り合っているだけで、架構として安定はしていません。模索の末に行き着いたシンプルな答えが、アーチの接線方向に斜材を配置することでした。この斜材の配置により地震などの横力に対しても安定した架構となり、さらに長期荷重に対する変形抑制にも非常に有効であることがわかりました。視点を変えれば「キャンチトラス梁」とも言える機構であったため、そのように名付けました。

さらに、バックステイをV字状に、トラスステージを逆四角錐状の形態とすることで、桁行方向の地震力に対する安定化も図りました。これらの形態操作はすべて力学的要求から決めたことですが、結果として本建築の個性的な表現へと昇華させることができたと思っています。

イメージは練り上げられ、構造計算による裏付けも完遂しました。しかし、このプロジェクトを真にやり遂げたと腹の底から実感できたのは、それから数年後、完成した屋根を見上げた時に「確かな力の流れ」がまざまざと見えた、まさにその瞬間でした。

WORKS一覧に戻る