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しそう自立の家

グナワン・インドラ

本件は株式会社アール・アイ・エーと一緒に設計していた福祉施設の「しそう自立の家」です。
弊社担当していたのは上図の最も右側にある食堂棟です。
御覧の通り設計ポイントとしては無柱空間および剛性バランスと考えています。
無柱空間では組みやすいトラスを設けて、剛性バランスとしてはラチス壁を利用することで設計が成立できました。
施工時にちょうどWood Shockの時期となってしまい、材料を手に入れるのを厳しいと聞いておりましたが、
いろいろ課題がある中、無事竣工できて、利用者が活動できることを拝見して設計者は大変うれしく思います。

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建築概要

 「しそう自立の家」は株式会社アール・アイ・エーが設計した4棟構成の障害者支援施設です。その4棟ある建物のうち、今回は「食堂・交流ゾーン」の構造設計協力を行いました。
 今回担当した「食堂・交流ゾーン」は、木造平屋建て、延べ床面積約657㎡の食堂及び交流スペース用途です。長辺方向31.85m、短辺方向21.84mの平面構成となっています。建物の南側に位置する食堂及び交流スペースは、開放性を高めるためラチス壁を利用することで壁を減らし、利用者がフレキシブルに使えるようにトラス梁を設け無柱空間を実現しました。


建築名称:しそう自立の家
敷地面積:4547.51㎡
建築面積:2395.89㎡
延床面積:2503.55㎡
所在地 :兵庫県宍粟市山崎町与位696番7
用途  :障害者支援施設
建築主 :ひょうご障害福祉事業協会
設計者 :株式会社 アール・アイ・エー

~食堂・交流ゾーン~
構造種別:木造
延床面積:約657㎡
用途  :食堂及び交流スペース

建物配置

県産材利用

 一部長いスパンの部材は集成材のオウシュアカマツを利用していますが、材料は原則主部材の柱梁は4mの長さで構成され、一般流通県産材の製材(機械等級)スギを利用することで継手をなくせることでき、特品がなく材料のコストを抑えました。

ラチス壁

 食堂棟の交流ゾーンは開放性の高い空間の計画となっており、なるべく壁を少なくすることが目的でした。壁を多く配置できる面と、開放性を要するため壁を減らさなければいけない面があったため、剛性バランスの課題が発生しました。基本的にはラチス壁の耐力を期待しない設計としましたが、剛性および耐力の高いラチス壁を利用することで剛性バランスが確保でき、屋根からの力の伝達がよりよくなりました。
 ラチス壁は株式会社ストローグに架構フレームに上手く収まるように御協力いただきました。

ラチス壁

トラス梁

 最初の計画では無柱空間の梁では張弦梁を提案しましたが、難易度が高く、施工見積もりも高くなってしまったため、美観性および施工性を考慮し張弦梁をトラス梁に変更しました。
 梁にトラス梁を採用したことで、長いスパンの梁をかけることが可能になり、たわみを抑えることでき、逆方向力の吹上力に対しても抵抗できました。また、トラス梁は二丁合わせの梁の間に束材とトラス材を構成し、組みやすいトラス梁を設計しました。
 このようにトラス梁を利用することで無柱空間を実現し利用者がフレキシブルに活動できます。

トラス梁

最後に

竣工写真を掲載します。

外観

MEMBER

篠原 昌寿

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