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スマートアンブレラ

メラル

材料特性・環境評価・構造合理性といった複合的な視点から"スマートアンブレラ"というテーマに取り組みました。
結果的に優秀賞を獲得できたことはこのうえない誉れです。
Desteğiniz İçin Teşekkürler!

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First of all

 本件は「スマートアンブレラデザインコンペ」の実装部門に応募したものです。
 近年の気候変動による気象災害等の激化や、今後その影響が増大することが予想されるなか、都市の日常空間において暑熱対策は重要な課題となっています。そこで、本デザインコンペではスマートアンブレラを「スマート:ICT活用や人の知恵を誘発し、主たる素材に木材を活用し豊かな”持続可能な”都市ライフを形成する」「アンブレラ:暑熱対策」と定義し、脱炭素化(都市の木質化)や暑熱対策となる都市空間のデザインアイデアが求められました。
 審査の結果、本チームは実装部門で優秀賞を受賞しました。

Concept

 今回の目的は人と自然の共生を目指し、"Nymph(ニンフ)"と呼ばれるモジュール式の自然のような構造で快適な空間を作り出すことです。Nymphは、気候に反応し持続可能で自己形成的で柔軟性があるモジュールです。建築材料や建築技術にみられる自然のような特性を活かし、気候に対応したデザインで建築を推進したいと考えました。
 Nymphは気候条件に反応し、自然生物にみられる形態やメカニズムを模倣します。植物のような構造をしており、Nymphの葉は気温と相対湿度に反応して様々な形に変化します。これは変化する環境に応じて自律的に形を変える人工の自然生物となります。

Climate-responsive approach

・Nymphは気温や相対湿度などの気候条件の変化により自律的に形を変えます。
・雨が降ると水滴はNymphの中央に溜まり、最終的に霧になります。
・複数の同じモジュールの組み合わせで構成されるため、多くのコンポーネントタイプを使用せずに、様々な設計が可能になります。
・2つの木製の層で構成されており、相対湿度を変更することにより、樹種に基づいて異なる曲率を実現できます。
・環境に優しい建築材料だけでなく、気候要素も設計要素として使用できます。

Structural Design

 上部には骨格構造として竹を利用し、それを防水ファブリックで覆います。下部の枠組みには外枠としてCLTフレーム、中央パネルに回転トルクを設け、その間にBilayerで作成した曲げパネルを接続します。下部構造は上部構造のファブリックの底部に配置され、同軸で接続されています。
 湿度の変化とともにBilayerの曲がり方が変化するため、それに対応して上部のファブリックも時間とともに形を変え、Nymphの開閉が可能になります。

Space Design

Nymphの使い方として、Type_1~3の3つのタイプを想定しています。
・Nymph Type_1
 少人数の人をターゲットにしています。小さなスペースにも設置可能なため、市内にランダムに配置できます。
・Nymph Type_2
 中規模の人数に使用されることを想定しています。このタイプはモジュールを傾けることができ、様々な形を生み出します。
・Nymph Type_3
 大人数での使用を目的としています。植物のようにモジュールが集まり、ランダム性を生み出し、街の森として機能します。

今後、実験を行いながら本提案の試作品を作成予定です。
完成しましたら再度ご報告します。

想定する使用人数

想定する使用方法

MEMBER

Wooden Assistant
リルイ

Structural Pioneer
福田 海里

Design Pioneer
細見 亮太

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