福田 海里
初期段階から地域の木材調査、調達の検討、全体の架構計画を入念に行うとともに、
コンピュテーショナル・デザインによる架構提案やBIMをベースとした設計など、新たな取組みへも挑戦することで、建設地の豊かな森林資源を最大限に活用した保育園を実現しました。
設計中は、建物で子どもたちがどのように過ごすのか想像しながら、安全・安心な建物とすべく取り組んできました。
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初期段階から地域の木材調査、調達の検討、全体の架構計画を入念に行うとともに、
コンピュテーショナル・デザインによる架構提案やBIMをベースとした設計など、新たな取組みへも挑戦することで、建設地の豊かな森林資源を最大限に活用した保育園を実現しました。
設計中は、建物で子どもたちがどのように過ごすのか想像しながら、安全・安心な建物とすべく取り組んできました。
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南海トラフの巨大地震に備え、浸水区域にある保育園を統合し高台に移転する計画で、敷地は森の中の丘陵地で、豊かな自然が身近に感じられる環境となっています。
地域の豊かな森林資源である”ひのき”を最大限効果的に活用し、地域活性・地産地消へとつなげる建築計画としています。
木造 一部鉄筋コンクリート造 地上1階
高さ :9.4m
建築面積 :3,074.01㎡
延床面積 :2,991.54㎡
用途 :保育所
竣工 :2022年 2月
設計者 :内藤建築事務所・杢建築事務所
構造設計協力:株式会社構造計画研究所
施工会社 :轟・竹村産業特定建設工事共同体
【木材調達の検討】
地域産の木材を最大限に活用したいという想いに対して、地域の林業関係者とコンタクトを取り、地域産木材の活用の実現性を検討しました。
初期段階で木材数量や断面を概算で把握し、地域産材の樹種や流通サイズをヒアリングしながら、採用する木材を決めました。
使用する木材量に対して、調達ができるのかという懸念に対しても、地域の木材加工所を巻き込み、調達できることを確認しました。
【架構計画】
初期段階で全体の架構計画を、木材を現し(その他建築物)にするために木造部分を1000㎡以内ごとの防火区画としてRC造で分離することや、製材活用のためルート3とならないよう偏心を抑えるように構造計算ルートを考慮しながら比較検討し、地域の製材を最大限活用できる架構計画を採用しました。
保育園という用途の特性上、開放的な空間が必要であり、「樹状柱」「大空間木造屋根」を採用しました。
初期段階からデザインを実現するために入念にすり合わせを実施しました。
複雑な形態に屋根の高さ、登り梁のピッチなどをパラメータとしたパラメトリックスタディを実施し、複数の案を提示することで、デザインの幅を拡張できました。
BIMを活用することにより設計から施工までのスムーズな連携ができ、設計の合理化を目指しました。
部材数量のタイムリーな把握や複雑な架構の接合部や部材の3次元的な納まりを確認しながら進めてきました。
また、設計チーム内、施工者とのコミュニケーションツールとしても、3次元モデルを確認することでスムーズな意図伝達を行うことができました。
どうも、小御門です。出身は福岡県で、雨の日が辛い天然パーマです。普段は設計業務を行いながら、主に3次元データを用いた案件を担当しています。特にRhinoceros + Grasshopperをベースにプログラミング技術(Fortran、C#、Python等)を駆使して、社内外問わずに様々なツールの作成を行っています。フットワークの軽いユニークなエンジニアを目指しています。